抗血小板剤エフィエント錠の勉強会に参加しました

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エフィエントの位置付け

今までの抗血小板剤開発の歴史を見てみると以下のようになります。

 

1981年:パナルジン

2006年:プラビックス

2014年:エフィエント

 

ということで、一番新しい抗血小板剤となります。

 

プラビックスよりも適応が少ないためか、まだうちの薬局では処方実績はありませんが、そろそろ出てくる頃だと思います。

 

それでは、特徴を見ていきましょう。

 

早期から血小板凝集抑制作用を示す

服用後30分で血中濃度は最大になるとのこと。

 

比較に上がったプラビックスは、データを見ると効果発現までに4週間ほどかかるようです。

 

ちなみに活性代謝物となればプラビックスと効果は同じようです。

 

日本人の2人に1人はCYP2C19遺伝子多型がある

プラビックスは主に薬物代謝酵素であるCYP2C19で代謝され、活性代謝物となった後に効果を発現するわけですが、日本人はこの酵素が少ない、または発現していない人が多いんです。

 

ここでちょっと用語解説を挟みます。

 

Expensive metabolizer(EM):代謝正常型

 代謝に問題がない人。

 

Intermediate metabolizer(IM):代謝中間型

 代謝が低下している人。

 

Poor metabolizer(PM):代謝不全型

 代謝ができない(または極端に低下している)人。

 

 

日本人のCYP2C19遺伝子多型による表現型の割合は、EMが37%、IMが44%、PMが19%となります。

 

これは人種による違いで、例えば欧米ではPMの割合は約3%なので、この遺伝子多型はあまり問題にはならないようです。

 

一方で中東や中国などのアジア圏では10〜20%という数字がありますので、主にCYP2C19で代謝されるプラビックスが効かないという患者さんも出てきてしまいます。

 

そのためプラビックスの効果に個人差がありますが、エフィエントはCYP2C19遺伝子多型によらず、早期から安定した血小板凝集抑制作用を示すとのデータがあります。

 

副作用

大出血1.9%、小出血及びその他の臨床的に重要な出血を含めると9.6%とのことです。

 

やはり、服用中は怪我をしないように出血には十分注意し、アザや歯茎からの出血が気になるようであれば、医師に必ず伝える必要があります。

 

これはこの系統の薬ではお約束ですね。

 

Q&A

プラビックスからの切り替えの注意点は何かあるか?

そのまま切り替え可能。ただし、出血があって切り替えたのであれば、2.5mgなど低用量にして様子を見るケースもある。

プラビックスは肝臓で2回代謝されることになるので、肝障害が見られた場合もエフィエントに切り替えることで改善するかもしれない。

 

用法用量は?

初回投与量(ローディングドーズ)20mg、その後維持量(メンテナンスドーズ)として3.75mg。

 

出血リスクのある50kg以下、75歳以上の患者には、2.5mgにして様子を見るなどの症例もあり。

 

販売されている規格は2.5mg、3.75mg、5mg、20mgの4種類。

 

出血を伴う手術などの休薬期間は?

手術の際に出血が止まらなくなる可能性があるので、こういった系統の薬を一時的に中止することがあり、種類によってその期間は異なります。

 

エフィエントは14日以上前に中止。

 

ESP(内視鏡的十二指腸乳頭部腫瘍切除術)でも中止しますが、生検の場合はそのまま継続でいいそうです。

 

また、内視鏡ガイドラインによると、どうしても服用を続けなければならない場合、一旦シロスタゾールに切り替えて、手術の3〜4日前に中止することが推奨されています。

 

他に気になったこと

この系統の薬で消化管出血があればガンを疑うというのが定石のようです。9割ほどの患者でガンが発見されているのだとか。

 

粉砕、半錠、一包化は可能。